日商簿記は会計に携わる方だけでなく多くの方にとって重要な知識とされ、リベラルアーツ大学の両学長や多くの著名人が取得を勧める資格です。
私自身はSEですが、会社の課長や部長からも勧められていたこともあり元々興味があった資格でした。
本記事は独学でおよそ2週間(15日)で簿記3級を取得した勉強時間と学習方法をご紹介します。
この記事は以下のような人に向けて書いています。
- 簿記3級の受験を控えている方
- 簿記3級の勉強方法で悩んでいる方
- これから簿記3級を受験しようかと考えている方
この記事を読むと以下のことが分かります!
- 合格に向けた学習方法
- 試験の難易度
- 勉強時間
日商簿記3級 ネット試験概要
CBT形式で受けられるネット試験の概要を整理しました。
試験時間・形式 | 60分 |
受験料(税込み) | 3400円(インターネット申込形式) |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
合格ライン | 70点以上(100点満点) |
配点基準
簿記3級の試験は3部構成となっており、第1問に仕訳問題、第2問は帳簿記入や勘定記入問題、第3問では決算整理絡みの総合問題が出題されます。
重要なのは配点です。
問題 | 内容 | 配点 |
第一問 | 仕訳 | 45点 |
第二問 | 帳簿記入、勘定記入 | 20点 |
第三問 | 決算整理 | 35点 |
100点満点で70点以上が合格点となっていて、第一問の仕訳だけで合格基準点の半分以上をとることができます。逆に第二問は問題数の割に配点が低く、優先度としては下がります。
第三問では精算表を作成することが多いですが、作成においては仕訳が重要です。
つまり、第一問と第三問を合わせた80点は仕訳さえできればある程度得点できる計算になるため、配点が高いことを踏まえると、帳簿や勘定記入よりも仕訳をとことん極めることが合格への近道です。
私は第二問の帳簿記入、勘定記入がホントに苦手で捨て問扱いで受験しましたが、本番試験では80/100で合格できました。やはり第一問と第三問を制することが重要です。
試験難易度と学習期間の目安
日商簿記3級の合格率は概ね40%~50%と言われています。
IPAの資格で比べるとITパスポートの合格率が40%~50%と言われているので、IT人材にとってのITパスポート。つまり初級レベルといったところでしょうか(受験者が違うので一概に同じレベルとも言い難いです。)。
勉強期間の目安ですが、一般的には80時間~100時間と言われています。
ただ、勉強時間はあくまで一般的な目安で、私の場合は会計の知識0の状態から始めて15日間つまりおよそ2週間で合格できました。
ネット試験であれば合格かどうかは試験直後に得点とともに分かります。
勉強時間と学習方法
ここからは勉強時間と二週間で合格した時の学習内容をまとめます。
勉強時間はざっくりいうと45~50時間です。
学習方法
学習の流れは以下の通りです。
- ①「すっきりわかる」を問題編を含めて2日で1周する
- ② 巻末の問題を中心に「すっきりわかる」全体をもう1周する
- ③ ネット試験用模擬試験プログラムで第三問の対策をする
- ④「ネット試験用模擬試験プログラム」で70点以上をとる
①「すっきりわかる」を問題編を含めて2日で1周する
まずはインプットから!
最初の土日で「すっきりわかる」を巻末の問題含めて1周しました。ただし、巻末問題の精算表に関する数問は時間がかかるので飛ばしました🏄
これでおよそ2日×6時間=12時間ほどかかりました。
簿記3級では仕訳問題を沢山解くことが合格の近道です。よって、私個人の考えとしては、時間をかけてじっくり読むのも大切ですが、とにかく1周して「あ~こんなのあったな…」と2周目に思える程度でサクサク読み進めることが大事だと思います。短期間で効率重視で合格したいと思っている方にはこの勉強方法が適していると思います。
② 巻末の問題を中心に「すっきりわかる」全体をもう1周する
2周目を解いて1周目で定着しなかった問題を炙り出す!
その後、巻末の問題をもう1周しながら「すっきりわかる」全体をもう一度読み直しました。
所要時間は平日5日×1.5時間=7.5時間ほど。
私の場合は、やはり1周だけだと理解が浸透していなかったようで、巻末の問題がまだまだ難しく感じました。「あ~こんなのあったな…」どころか、普通に「何コレ?」ってなる問題も多かったです。そこで、分からなかった問題や「ナニコレ?」となったような自信がない問題は解説も読みました。復習となるため、けっこう時間がかかります。
ということで、2周目からは理解できてそうな問題に関する解説は飛ばして、難しいと感じた問題や自信のない問題を中心に解説を読んで巻末問題を解き直しましょう。
③ ネット試験用模擬試験プログラムで第三問の対策をする
ここからは徐々に本番レベルを意識した演習を!
二回目の週末は「すっきりうかる」の第三問だけとりかかりました。
第三問は配点35点です。つまり第一問の仕訳の次に配点が高く、問題の解き方としては「仕訳する→仕訳結果を反映させて試算表などを作成する」といった流れです。つまり仕訳+αの問題です。
ここまでの学習である程度は仕訳を解けるようになったものの、試算表の作成は対策できていない状態です。配点が二番目に高いことから、この辺りで一度本番レベルを知るという意味でも「すっきりうかる」や「すっきりわかる」のチェックテストなどを解いてみることをおすすめします。
ここでは2日×4~5時間=8~10時間ほどほどかかりました。
私は「すっきりうかる」のネット試験用模擬試験プログラムをここから使い始めました。5回分の模擬試験を受けられるので、2日で第三問を5回解きました。
私の場合は、5回ともコテンパンにやられました🫠🫠
時間に余裕がある方はこの段階で第三問に加えて第一問や第二問も解いてみることをおすすめします。
「すっきりうかる」を買うと、書籍内の9回分の本番レベル問題に加えネット模擬試験5回分が解けるようになります。
私は、”CBT形式で受ける予定だったこと”+”書籍だと問題用紙を印刷するなどして書き込みしないといけなくなる”といった理由から、「すっきりうかる」の書籍内の第三問の9回分は解かず、ネット模擬試験のみに取り組みました。
③ 「すっきりうかる」の第一問と第二問を1周する
二週目の平日は「すっきりうかる」の第一問9回分を解きました。
木曜は祝日だったので、「すっきりうかる」の第二問9回分と、1周目にコテンパンにやられた第三問を1問解き直しました。
1~1.5時間×(平日)4日+5時間×(祝日)1日=およそ10時間
第一問と第二問は書き込みがなくてもなんとか解けるので、「すっきりうかる」の書籍内の9回分の問題を解いていました。この辺りで仕訳問題は概ね解けるようになっていました。ただ、1回15問の問題数に対して3,4問は間違えてしまうくらいのレベルでした。
平日ですと仕事との兼ね合いもあり、中々勉強時間の捻出が難しくなるかと思います。そこで、1日30問~45問(試験2回~3回分)だけ解いて、「すっきりうかる」の第一問だけ1周しておきましょう。
何度も申し訳ないですが、第一問(仕訳)の配点は100点中45点と高く、仕訳を完璧にするだけでも合格をグッと手繰り寄せることができます。第一問は念入りに対策しましょう。仕訳がしっかりできるようになると第二問や第三問の得点も高くなります。
④ 「ネット試験用模擬試験プログラム」で70点以上をとる
最後は対策内容というより目標みたいになってしまいましたが、仕上げの段階です。
ここまでで、「すっきりわかる」でインプットは十分。「すっきりうかる」では、書籍内の9回分を使って第一問と第二問を1周し第三問はネット模擬試験プログラムで1周+αしている状態です。
最後は1時間で三問全て解き、70点以上をとれる状態になっていることを確かめましょう。
私は、ネット模擬試験プログラム5回分を全て解きました。結果は3勝2敗🙄
なんともいえない結果でした。しかも80点以上は一度もとれませんでした。
しかし、本番を解いた後の感覚としては、ネット模擬試験プログラムと本番試験の難易度は同じくらいだったので、この段階である程度70点以上を出せるようになっていたら合格を十分狙えるレベルになっていると考えていいと思います。
所要時間は8時間×1日=8時間でした。
学習教材
教材① 「スッキリわかる 日商簿記3級」
インプット用に購入した一冊です。購入して使った感想をまとめます。
- 解説文がシンプルで分かりやすくスラスラ読める
- 解説1つ1つにイラスト付き
- 仕訳アプリを使ってスマホでも仕訳問題を解ける
購入して読み進めるうちにまず良いなと思ったのは、数ある仕訳の勘定科目の解説1つ1つがとても簡単な文でスラスラと読める内容になっていることです。
また1つ1つの解説にイラスト付きで、どういうケースの仕訳なのかをイメージしやすいという特徴もあります。
スマホでも仕訳問題が解けるようなコンテンツ付きとなっており、手元に本が無い時や通勤中などで本を持ち歩きたくない場合にも学習できるようになっています。
教材② 「スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集」
「すっきりわかる」だけでも本番試験対策ができそうではあったものの、巻末問題はPCやスマホに対応していなかったので、より多くの問題を解くという目的も含めてこちらの問題集も購入しました。
- 本番レベルの問題が9回分解ける
- 模擬試験プログラムでネット形式の本番レベル問題をPCで5回分解ける
紙ではなくPCで本番レベルの問題を解くために買った問題集ですが、本当に本番試験と同じレベルの問題が監修されていました。
本番試験を解いて驚いたのは、模擬試験のレベルと本番試験のレベルの類似性もありますが、個人的には試験のインターフェイスもほぼ一緒だったことです。模擬試験プログラムではタイマー機能も付いているので、本番さながらの模擬形式で鍛えることができます。
無料の教材 「ふくしままさゆき先生の【ゼロから簿記3級(全24回)】」
簿記3級は知名度もかなり高く、教材も豊富です。そのため、無料で高品質の教材も存在します。
その中で有名なのがふくしままさゆき先生のYouTube動画です。
書籍を買う前にどんな試験か知りたい方や、できるだけお金をかけず勉強したいという方、教材を持ち歩かず通勤中にも勉強したい方 はこちらの教材を試してみてください。
私は、書籍の方が勘定科目や項目ごとに1つ1つページが分かれている書籍の方が理解した箇所と理解できていない箇所の区別がしやすく勉強しやすかったため、途中で動画から書籍に乗り換えましたが、解説動画自体はかなり分かりやすいです。
また、KindleでもUnlimited会員なら無料で読める電子書籍を執筆されている方です。動画→Kindleで出費を抑えた学習ができます。
結果はいつ分かる?
CBT形式ですので試験直後に得点と合否が分かります。
QRコードが渡されるので、スマホなどで読み取るとこのような合格証明書のPDFファイルがダウンロードできます。
受験後の感想とまとめ
簿記3級の学習方法についてご紹介してきました。
IT系なのに簿記?と思われるかもしれませんが、簿記3級があれば企業の財務諸表がしっかり読めるようになりますし、SEとしてのキャリアでもどこかで生きてくる知識だとよく言われます。
もちろんIT系に限らず取得しておいて損しない資格であるからこその知名度だと思います。取得までにかかった時間を考えてもあまり大変な資格ではないはずなので、気になる方は是非受験してみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
今後、簿記3級を受験するみなさんの合格を祈っています