【プロジェクトマネージャ(PM)試験】独学受験記⑤ -試験当日の様子-

プロジェクトマネージャ試験
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IPAの高度情報処理技術者試験の中で論述試験があるプロジェクトマネージャ(PM)試験の当日の流れと体験談をご紹介します。

特に試験本番間近となった受験者の方や受験を検討されている方が当日の様子をイメトレできるような内容になっています。

恐らくPM試験を受験される方は数々の試験を潜り抜けて来られた猛者の皆さんだと思うので、当たり前といえば当たり前な内容になっているかもしれないですが、試験前の最終調整の参考にしてもらえればと思います🏄🧘‍♂️

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PM試験てどんな試験?

PM試験は、IPAの高度区分の中でも午後Ⅱの論述試験が要因となり、論述試験が無い高度区分の試験よりも多くの対策が必要になるため、やや避けられがちな試験という印象です。

プロジェクトマネージャの資格は他にもPMPという国際基準の資格があり、そちらは有償の講習を受けた後で選択問題を解く形式になっています。会社から講習の費用を立て替えてもらえる方々はPM試験ではなくPMPを取得される方もいます。

こちらの記事で難易度について詳しくご紹介しましたが、例年の合格率は15%を切っています。それだけレベルが高く、取得できた場合にはアピール材料になりそうな資格です。

難易度が抜群に高いのは確かです。ただ勘違いしてはいけないのは、大手SIなどのIT企業の部課長層やそれより上の層の方々が全員PMの資格を持っているかと言われるとそうではないということです。大手SIならば、中間管理職層辺りから実務で嫌というほどPMをやる機会にあふれていますからね😅

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試験前日

まずは試験前日にどのような最終調整に励んでいたかについてです。

試験前日、私はまず過去問道場を使ってここ5,6年分の午前Ⅰ試験の間違えていた箇所の復習を行いました。本当は何年分か解いておきたかったんですが、この後午後試験を重点に勉強したかったので間違えた箇所のみしらみつぶしにしてました。午前Ⅱも同様です。午前ⅠとⅡ合わせて2時間ほどかけました。

そして、午後Ⅰは90分測りながら前年の過去問を二問解き、少し時間が余ったのでついでにもう一問も解きました。結局答え合わせを入れて2時間ほどです。

最後に午後Ⅱです。問題を解いていると1問だけで2時間かかるため、最終調整としてはあまり効率的じゃない気がしました。なので、みよちゃん本で「最重要」または「要読み込み」となっている問題を中心に『設問読む→盛り込むべき要素を書きだす→自分が用意しているパターン(対策や問題など)を脳内で当てはめる→解答例文を読む』という流れでおさらいしました。わりと対象の問題数が多くなるんですが、当日はフルに書き続けても数分だけ余る時間いっぱいになることが多いと他のブロガーさんの記事で読んでいたので、考えるだけの時間は極力短くしたいと思い、使いまわせそうな材料をどんどんインプットしていました。

あと気を付けるべきはしっかり寝ること🛀🛌

午前Ⅰからの場合は割と朝早くなります。私の場合は9時10分に試験会場に集合となっていました。試験開始は9時30分からなので、仮に9時10分以降に着いたら入室できない訳ではないので安心してください🥱

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試験開始まで

9時ちょうどに到着しました。

まだあまり会場は埋まっておらず、着席後にどんどん人が入ってきます。私の会場は某有名私大のキャンパスでした。初めて入りましたが綺麗でオシャレ…✨🌺午前Ⅰ試験は50分間ですが一応お手洗いを済ませておきます。

TOEICとかは空席がちらほら見えたりするんですが、私の部屋はわりとしっかり埋まっている印象でした。

その後、9時10分ごろに試験管の方が入ってきて試験開始までのアナウンスや準備を着々と行っていきます。何人かの方はそのアナウンスをわき目に着席されていました。問題ありません。にらまれたりしません😬🫣

午前Ⅰ試験

試験時間 9:30-10:20(50分)

午前Ⅰ試験は応用情報技術者試験の午前試験から30問が出題されます。合格ラインは6割なので18問正解する必要があります。

4つの試験の中で一番勉強時間が短かったこともあり、正直午前Ⅰは不安でした。ここで取りこぼしたらこの後の試験の出来が良くても、採点すらしてもらえない足切りのための試験でもあるからです。

(情報処理推進機構さん、午前試験だけでもCBT方式を導入してほしいです🙏)

ただ、しっかり対策されている方はなんの問題もなく余裕を持って解答できるはずです。実際、令和4年秋から急に過去問の流用がなくなったりすることはなく、見覚えある問題が幾つかありました。

「これは過去問で見た!」や「これは絶対合ってる!」と思えるものにチェックを入れつつ、とりあえず1周した後、合格ラインである18問に2問足りなかったので、後回しにしていた計算問題を解いて合計20問。”自信ありとチェックしたにも関わらず不正解にならないかどうか”、”解答用紙をしっかりマークしているか”を確かめながら、「初めて見たな…コンジョイント分析って何?」となったり、「過学習!G検定取ってて良かった…」となりながら、後回しにした問題達と向き合い、時間いっぱいまで見直しを行いました。

生年月日と受験番号はしっかり記入しましょう!

試験官の方も何度も忠告してくださいますが、記入漏れは受験者の責任で、試験官の方がじっくりチェックしてくれるわけではないです。

午前Ⅰ試験終了後、休憩に入ります。荷物をまるごと持って退出される方もいて、「お~私物管理しっかりしてる!」と思っていたんですが、噂に漏れずそのまま午前Ⅱの開始時間になっても着席されず帰宅された方もわりといました。私の居た部屋では1割くらいですかね。

今回の午前Ⅰの結果が6割以上なら、次回以降で高度区分を受ける際午前Ⅰは免除になりますからね🏂 次回以降で応用の勉強なしで高度区分の内容に集中できることになります。

午前Ⅱ試験

試験時間 10:50-11:30(40分)

午前Ⅰ試験免除組が合流します。

午前Ⅰ受験後に帰宅される方はいらっしゃいましたが、ここで受験者の全容が分かります。私の居た部屋では、受験者の方の多くが30代~50代ぽい男性が多かったです。ただ、若い女性もちらほらいました。休憩時間ですれ違う方を見ていても、思ったよりかは若い方が多い印象でした。

そして試験が始まります。

午前Ⅱ試験は25問が出題されます。合格ラインは6割なので15問正解する必要があります。

午前Ⅱは午前Ⅰよりもやや多めに時間を使ったこと、そもそも学習対象となる過去問数が少ないこともあり、「あ、これ過去問でやったところだ!」と感じる問題が多かったです。余裕を持って解答できました。野村さんの姿は見れませんでした。

”正解の自信アリ”の問題数も15問を超え、「これは大丈夫だ!」と思いながら、生年月日や受験番号のマークがあることを確認しつつ午後試験に向けて頭をあまり使わずぼーっとしていました。

ちなみに、午前試験は選択式ということもあり、その日の夜には解答速報が出ることが多いです。午前試験の結果を早く確認したい方はTwitterやIPAで確認してみましょう。

お昼休み

時間 11:30-12:30(60分)

用意していたコーヒーと一本満足バーをささっと取り出し、あっという間に完食😋(一本満足バーのシリアルブラック派です。)

完全に蛇足ですが、私自身は大学受験時代から何故か空腹時の方が集中力が良かったという感覚があるので、糖分を少し補給するだけの軽食(カロリーメイト2本とか、一本満足バー1本とか)で済ませてます。

午後Ⅰの終わり際、早速おなかが鳴りました💃ですが、皆さん試験に本当に集中されてますし空腹=集中できているという考え方でした😇

そして何度も言いますが、お手洗いはこまめに済ませておきましょう。

午後Ⅰ試験

試験時間 12:30-14:00(90分)

さあ、ここからが本番です。

午前Ⅰに若干の不安の覚えていたことも忘れるくらい午後Ⅰに集中しようとしていました。この試験で合格ラインに立てる人が一気に減るからです。

試験開始、まずはしっかり生年月日と受験番号をゆっくり記入します。

午後Ⅰ試験では3問中2問を選択します。受験時は選択した問題番号への○付けをお忘れなく!

私自身は問1と問2を自分のルールに従って選択しました。

ただ、問3は前年度の問3とかなり似た設問構造になっていて、長文をしっかり読めて抜粋箇所に敏感に反応できれば合格ラインを確度高く狙えそうにも見えたので、3分くらい悩みました。

しかし、悩む時間がもったいないのでそのまま問1から解き始めます。

問のタイトルが『SaaSを利用して短期間に~』となっていたので、リスク⇒納期遅延?🧐と考え、設問1を読むと案の定リスクについて問われました。

少し手が止まる設問もありましたが、試験開始から30~35分で全て埋め終わりました。試験対策で過去問を2周したおかげか、設問で問われそうなポイントにしっかり反応してマークしつつ、設問で問われたらすぐ抜粋するという形で解答できました。

問2は『ECサイト刷新プロジェクトのPJ計画~』というタイトルです。さすがにリスクが何かはタイトルからは読み取れませんが、問題文を読むとPMや他のステークホルダーの意図や考えについて問う問題が多そうだと思いました🧐

午後Ⅰ対策で数々の過去問を解く中で知った事の1つに、知識問題と本文から抜粋型の2通りがある中で、PJ独自の事情やステークホルダーの意図を直接解いてくる設問はほとんど問題文から抜粋する型の問題だったという点がありました。

そこで、問2ではリスク要因やステークホルダーの特徴を表すポイントにしっかりマークを付けながら読み進めることにし、設問で問われている下線部などに到達したらすぐにマークしていたポイントから抜粋して解答していきました。最終的には問2を解き終えた時点で試験時間は残り10分ほどになっていました。

想定より早く解き終えることができましたが、自信がない解答も多かったです。早速見直しに入りました。問2はお直しがありませんでしたが、問1は2問ほどありました。少し慌てながら解答を書きなおし、試験終了の合図となりました。

手ごたえ自体はあまり悪くはありませんでした。ただ、午後Ⅰ対策で自己採点を行っていた時を思い出すと、手ごたえ悪→採点結果は5割ほど。手ごたえ悪くない!→採点結果は6割ギリギリ。となることがほとんどだったので、決して浮かれた気分にはなれませんでした😑😑そもそも午後Ⅱもちゃんと書けないと、いくら午後Ⅰが良くても不合格になってしまいますしね🥲

午後Ⅱ試験

試験時間 14:30-16:30(120分)

最後にして最大の難所論述試験がおでましです👹😈

午前Ⅰと午前Ⅱ同様に、午後Ⅰと午後Ⅱ試験はインターバルが30分あります。その間にまずはお手洗いを済ませます(トイレが混んでいて行列ができていました)。試験会場にもよりますが、男性用トイレだけ長蛇の列ができるのを見たのは大学受験以来でした。

お手洗いを済ませた後、誰もいない階段の踊り場でストレッチを軽くした後、自席に戻り、みよちゃん本の例文から使えそうなアイデアを拾っていました。あとはチョコレートひとかけ🍫を口にしながら試験官の方が入ってこられるのを待ちます。

「終わったら一回寝よう。友達から勧められたアニメ観よう。観たかった映画も。」とか、試験後の世界を妄想しつつ、試験官の方が配ってくださった解答用紙を見て少し驚きました。

私が知らなかっただけかもしれないんですが、解答用紙がA5くらいの大きさで見開き型でした(A5は確かA4の半分の大きさで、開いたらA4サイズになるイメージです)。しかも縦開き。驚いたといってもそれだけですが🍿

そして試験開始です。まずは設問を両方読んでみます。

問1は『システム開発プロジェクトにおける事業環境の変化への対応』というタイトルでした。「例えば、~~」がかなり長く、問題文の中で設定がかなり細かく決められている一方、設問ア~ウの内容はオーソドックスになっており、問題文の流れに沿っていければ書きやすそうな印象でした。
問2は『プロジェクト目標の達成のためのステークホルダーとのコミュニケーションについて』というタイトルでした。設問ウが”評価”や”改善点”、”実施状況”といった内容ではなく、”認識の不一致の原因”と”不一致を解消するために積極的に行ったコミュニケーション”となっていました。

恐らく、例年の問題と比べたらどちらも書きやすい内容になっているんじゃないかと思います。

ただ、問2は状況設定の自由度が高い分、PM経験者の方にとっては”経験を含めたリアルな内容”を書きやすそうな一方、経験が無い方は”想像”と”みよちゃん本から得た知識”で戦うことになり、経験豊富な受験者層と比べたら完成度が下がる気がしました👀👀

午後Ⅱの採点は、設問1つ1つにしっかりと解答(6割)できていることはもちろんですが、その後は相対評価となっていることを踏まえると、経験者の方が避けそうな問題を選択したほうがPM未経験者がA評価を狙いやすいです。

そこで、私は問1を選択しました。

まずは、予め用意してきた通りにプロジェクト概要を埋めます。

そして設問アのプロジェクト概要と目的も400字程度で予め用意してきたものを少しテーラリング(試験の場合、設問に合わせて、用意していた内容を部分的に書き換えることです。)しつつ埋めました。ここまでで20分くらいでした。

その後、設問アの後半部分を問題文が設定したシナリオに沿った上で、少しだけオリジナリティを加えながら書き進めました。ここまでで25分~30分経過です。

さあ、次は設問イです。通常なら、この設問イは最もアイデアをひねり出すための時間が必要です。しかし、先ほど述べたように、この問題は設問イの部分に関する例文があまりにも豊富でした。むしろ、”どこで差別化を図れるか”や”設問では直接問われていないが問題文の中では問うている箇所がないか”に悩まされつつ、問題文のシナリオに沿って書き進めました。ここまでで試験開始から1時間20分ほど経過していました。残りは40分です。

さて、仕上げの設問ウ!

ここで少し手が止まりました。設問イがしっかり状況設定されていたからか、設問ウは問題文の中にヒントが全くありません。自由度がかなり高いので、記述内容をどう構成するか悩んでいたら残り30分となっていました💦

とりあえず、計画変更によって対応した2機能の開発について、予定に対する進捗実績はどうなったかを書きました💨💨そして対応への評価はお決まりのパターンで🍻設問ウを埋めた時点で残り時間は10分になっていました。

最後は、誤字脱字のチェック、スペースがあればPMならではの知識(分析方法や評価方法)、定量的な情報を少しだけ書き足していると、試験終了の合図がなりました。

試験後

「時間切れで書ききれなかったこともなく、それなりに仕上がったんじゃ?」と淡い期待もありながら、雨の中岐路に着きました。午後試験もさることながら、午前試験の結果も気になって少しソワソワしていましたが、夜にはTwitter等で午前試験の解答速報が出ていました。早速採点した結果、午前試験はどちらも6割以上あると分かり、少し安心してその日は映画を観ながら寝落ちしました🎬🍿🌃

まとめ

想像していた通りですが、満身創痍になった本当に大変な試験でした😇しっかり対策していたつもりでも、難しい試験は難しいですね。

ですが、それだけ取れた後は周りの方が評価してくれるはずなので、受かれば自信につながりそうです。

それに、PM試験合格に向けて土日や勤務時間後にしっかり鍛錬できたプロセスも今後のキャリア構築に活かせると思っています🏌️‍♀️🏋

最後になりますが、これからプロジェクトマネージャ試験を受験されるみなさんの合格を祈っています。