皆さんこんにちは見習いエンジです。
4月25日、情報処理推進機構(IPA)から基本情報技術者試験(FE)、情報セキュリティマネジメント試験(SG)についてシラバスの変更が発表されました。試験変更が施行されるのは2023年4月です。
本記事では、シラバス変更について『具体的にどんな変更があったのか』、『どんな影響が出るのか』について解説します。
この記事は以下のような人に向けて書いています。
- 基本情報技術者試験の受験を控えている方
- これから基本情報技術者試験を受験しようかと考えている方
この記事を読むと以下のことが分かります!
- 基本情報技術者試験のシラバス変更内容と試験難易度の影響
- シラバス変更前後の試験の難易度比較評価
- これから基本情報技術者の勉強を開始する方へのアドバイス
シラバス変更前の基本情報技術者試験の概要についてはこちらの記事で解説しています。シラバス変更によってどう変わるかを比較したい方は参考にしてみてください。
具体的な変更内容
まずは変更内容について説明していきます。
簡単に説明してしまうと、試験開催回数が年二回から1年間開催へと変わり、受験の機会が広がるという観点では受験者にとって良いニュースです。一方で、心配なのが午後試験の出題内容が変わることです。
変更箇所 | 【変更前】 | 【変更後】 | |
1 | 実施方式・採点方式 | 春と秋の年二回開催 | 年間随時受験可能 |
2 | 出題形式 | 『午前試験』 試験時間:150分 出題数:80問 『午後試験』 試験時間:150分 出題数:(大問)5/11問 *選択問題あり | 『科目A試験』 試験時間:90分 出題数:60問 『科目B試験』 試験時間:100分 出題数:(小問)20問 *選択問題なし |
3 | 出題範囲 | ー | 『科目A試験』 これまでの午前試験に準ずる 『科目B試験』 ・「情報セキュリティ」と 「データ構造及びアルゴリズム」 の二つを中心にした構成に変更 ・個別プログラム言語による 出題は普遍的・本質的なプログ ラミング的思考力を問う擬似言語 による出題に統一 |
4 | 試験対象者像 | 高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者 | IT を活用したサービス,製品, システム及びソフトウェアを作る人材 に必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者 |
受験機会が一気に増え、自分のペースで勉強しやすくなった一方で、鬼門とされる午後試験の構成が変わり、アルゴリズムが更に中心に出題されると記載されています。
シラバス変更による難易度への影響は?
気になるのは難易度が上がるのか下がるかです。
これはあくまで私の個人的な推測ですが、難易度は下がる(合格率が上がる)と考えています。
理由は3つです。
- 午後試験(科目B試験)の時間が短縮化されたことで、解きやすい問題が増えている可能性が高いから
- 問題の構成が大問から小問になり、これまでのような長文問題が減る(もしくはなくなる)可能性があるから
- 試験対象者像が「高度IT人材」から「ITを活用した」に変わり、対象者像のレベルがやや低下したように読み取れるから
特に2番目の理由について解説していきます。根拠となる科目B試験のサンプル問題がこちらです。
サンプル問題に一度目を通してもらえると分かりますが、これまでは大問5つが用意されており、それぞれの大問は基本的に長文の問題文と5つほどの小問から構成されていました。
特に鬼門だったアルゴリズムは相当なもので、問題文の長さと複雑さによって、初めてアルゴリズムを体験する人にとっては難易度の高さが他の大問と比べてはるかに高いと感じさせる内容でしたよね。アルゴリズムを最後に回して解くスタイルの方には、小問を最後まで解ききれるかどうかの戦いになっていたはずです。
それが変わるかもしれません。
大問がなくなり小問のみの構成となったことで、イメージとしては午前試験の感覚で午後試験を解けるようになるからです。本番のレベルとサンプル問題のレベルがどれほど類似しているかにもよりますが、解きやすくなることは確かです。
根拠の3点目であげたように、IT人材を増やすため、その入り口である基本情報技術者試験を容易にすることで入り口を広げようとしている印象を受けます。
まとめ:これから基本情報技術者試験を受験する方へ
最後に、これから基本情報技術者試験を受験する方へのアドバイスです。
個人的な推測ですが、来年四月以降に受験する方がより簡単に試験に合格できると思われます。
しかし、この試験を受験される方のほとんどは、これからIT人材として企業または大学でご自身のキャリアを歩んでいく方が多いはずです。一部の方は、非IT系の企業で既に働かれていて、社内の推奨資格として受験している方もいらっしゃいます。
特に前者の方であれば、基本情報技術者試験の合格でIT系の学習が終わるのではなく、基本情報技術者試験の受験をはじめとして、今後様々な高度IT技術を学び始めるはずです。
試験の難易度が下がるのであれば、確実に基本情報技術者の資格を保有できるようになるので、誰にとっても良いニュースであることに変わりはありません。
しかし、多くの方は今後さらに難しくやりがいのある資格取得やスキル習得を行っていくはずです。その時に基本情報技術者試験とのレベルのギャップに苦しまないようにするためにも、ITの基礎をしっかり身に着けることの目的意識を忘れずに試験勉強や試験に取り組んでほしいです。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!!