【プロジェクトマネージャ(PM)試験】午後Ⅱ論文対策 解答例の論文サンプルをご紹介します

プロジェクトマネージャ試験
スポンサーリンク

この記事では、私が令和4年度秋のプロジェクトマネージャ試験で実際に書いた午後Ⅱの回答をご紹介します。後で振り返る時のために残していたメモでした。また、試験で解答した文章を再現した結果、すごい文量になってしまいましたが、これから試験に励む方に参考にしてもらえればと思います。

資格取得に向けた勉強方法についてまとめたこちらの記事や他の記事でも触れていますが、私自身全くPMを経験したことはなく、回答例で書いているプロジェクトは完全に架空のお話です。(アジャイルっぽく書いてますが、新卒配属以来ごりごりの大規模ウォーターフォール案件担当二年目です😉)

試験後に思い出しながら再現しているので、完全再現という訳ではない点をご了承いただければ幸いです。(2時間の中で焦って書いていたので日本語も所々おかしいです🥹)ただ、要点はしっかり覚えていたので概要は合格レベルの内容を再現できているはずです。

それでは早速内容に移りましょう!

スポンサーリンク

令和4年度秋試験 午後Ⅱ問1 オリジナル回答例

問題文は過去問道場が掲載してくれているのでそちらからご確認ください。

設問ア

■プロジェクトの概要と計画変更について

◆プロジェクトの特徴

私は中堅SI企業に勤めるプロジェクトマネージャである。今回、私が担当したのは製造業A社向けの営業支援システムの開発プロジェクトである。A社は自動車向け半導体装置を製造販売する会社で、急拡大中の売上や利益を更に伸ばすための施策として、タブレット端末を導入した営業支援システムによって営業業務を効率化することを目的としている。そのシステム開発を弊社が受注した。開発期間は1年間。総工数は120人月で、2020年4月1日からのシステム運用開始までに納入するという納期厳守のプロジェクトとなっている。ただ、A社と同様のシステムをライバル企業各社も画策している話を聞いている。つまり、納期厳守としつつ他社との差別化として営業業務効率化の機能を備えたシステムを開発するという目的だ。

◆計画変更の背景となった事業環境の変化

プロジェクトは始動し、開始から1カ月が経ち要件定義工程を行っていた時、A社営業部から事業環境の変化となる知らせを受け取った。A社ライバル企業のB社が本システムと同種の機能の機能を提供することを公表したのだ。B社が同様のシステムを開発すること自体は予想通りだったが、提供開始時期は想定外にも本システムの運用開始時期と同じ時期だった。

◆計画変更の要求の内容

この知らせを受け、A社営業部のX部長から、本システムの内特に差別化要因となりそうな機能の提供時期を前倒ししてほしい。対応に伴うコスト増についてはA社社長からも承認済である。という依頼を受けた。プロジェクト開始から1カ月という早めの段階での変更要求であり、A社は他システムの開発も弊社に依頼してくれることが多く、今後のA社との関係性を保ち続けたいという内部の思いもあったため、この依頼を受諾した。

設問イ

■計画変更を受けて策定した対応策及び確定させた計画変更について

◆機会を生かす対応策

プロジェクト実行中に計画変更となることはよくある事だ。しかし、計画変更を効果的に実施するためには、対応策の策定が重要である。もし、適切な対応策を計画し実行できなかった場合、納期遅延リスクとなりかねない。そこで、私は計画変更に伴う影響、効果、対応策について検討した。対応策の見当にあたり、社内の類似プロジェクトの情報を参考にした。まずは機会を生かす対応策を次のように整理した。
影響:短期開発への挑戦ができる
効果:プロジェクトチームの成長、短期開発の実績を社内外へアピールできる、A社との信頼関係の継続と増強
対応策:短期開発の経験者をプロジェクトチームに加える、他メンバーはノウハウを習得できる

◆脅威を抑える対応策

続いて共済を抑える対応策を検討した。ただし、納期遅延というリスクに対しリスク発生の予兆を察知し、適切な対応を迅速に行えるようにするため、脅威への対応策はより重要だと考えていた。そこで、類似プロジェクトからの情報収集に加え、社内の有識者へのヒアリングを追加して行った。そのうえで次のような内容を整理した。
影響:計画の見直しが必要になる
効果:開発チームが混乱する、生産性が低下する、社内外からの評価のはく落、A社との信頼関係の崩壊
対応策:差別化に寄与する度合いの高い機能から段階的に前倒しして開発する、A社と密に意思疎通を図り優先順位の決定などの意思決定を迅速に行う
これらの対応策をまとめた直後、プロジェクトメンバとA社営業部X部長に参加してもらうキックオフミーティングを開き、対応策について全メンバが納得したことを確認した。その後、A社社長にも対応策について説明した。

◆確定させた計画変更の内容

策定した対応策を反映したうえで計画変更の内容をA社営業部社員と共に検討した。具体的には、どの機能を優先して段階的に開発するかである。A社営業部社員にヒアリングを行い、パレート分析を用いながら他社と差別化できる機能について整理した。結果、次の2つの機能を優先的に開発することにした。
①帳票表示機能:差別化への寄与度高、脅威発生確率小
②簡易グラフ表示機能:差別化への寄与度高、脅威発生確率中
脅威発生確率は定性分析を実施した結果である。この内容をA社社長に説明し了承を得た。
次に、計画変更に伴うコストについて試算した結果、5百万円という結果になったことをA社社長にも説明し、こちらも了承を得ることができた。また、他の機能の開発は当初の計画通り4月1日までの納入という形で合意した。
次に、それぞれの機能の納入時期についてA社営業部と相談し、①は11月頭に②は2月頭にそれぞれ納入することを決め、A社社長にも説明を行い了承を得た。

設問ウ

■計画変更の実施状況及び対応の評価

◆計画変更の実施状況

計画変更の内容を反映した後、新しい計画に沿ってプロジェクトは再始動した。
①については、予め準備していた対応策が功を奏し新しい計画通り11月頭に納入することができた。
②について、外部設計工程で営業部社員と開発メンバで密な打ち合わせを行いながら画面設計を行っていた際、思うように画面仕様が固まらず遅延リスクとなりそうな状況になった。プロトタイプを用いてイメージを固めやすくしながら画面設計を行っていたにも関わらず営業社員の要求が多く、それをとりこむのに苦労していた。その際、対応策にあげていたように短期開発の経験者であるZ君が活躍した。彼が営業社員と開発メンバの間に立ち、うまく意見をとりまとめてくれたのだ。そのおかげもあり、外部設計工程は予定より1週遅れる形となったが無事終了した。遅延は発生したものの、予算内でカバーできる範囲だった。そして②もなんとか予定通り2月頭に納入することができた。

◆計画変更の実施状況

その後、他の機能の開発を進め、各機能は無事3月末までの納入が完了した。事業環境の変化に迅速に対応し、他社との差別化を図る機能を優先的に前倒しして納入できたことをA社社長からも高く評価していただけた。A社営業部部長からは、各機能も使いやすく品質も申し分ないと評価していただけた。個人的にも今回のプロジェクトは計画変更に伴い様々な対応が必要になったが、A社との関係性を維持できる結果となったことも含めて、適切な対応ができたと考えている。

スポンサーリンク

書きながら感じていた不安と書いた後の所感

まず、この問題を解いて感じたのは、”例えば~”がかなり具体的に書かれているため、書きやすい印象がありつつ、どこまでこの例文を使っていいのかに悩みました。設問アの後半と設問イは例文だけでも成り立っていますよね🤔

仮にこの例文のまま設問ア前半と設問ウだけオリジナルの文章を書いたとしたら、「設問丸パクリじゃないのよアナタ😡」となりそうな予感がしました。とはいえ、これだけ例文を重点的に書いているのは「ある程度は例文ベースで書き上げてもいいわよ👼」と言っている(?)と思い、所々オリジナルの要素を組み込んでいけば許してもらえないかな~と期待しつつこの文章を書いてました🤓

注意しないとな…」と思っていたのは、機会を生かす対応策脅威を抑える対応策の内容です。オリジナルの要素を必ず入れつつ、二つの対応策の内容は対応していないといけないのでは?と思いました。(ただ対応策の中身を裏返しただけなんですがw)

あとは、”定量的な値をどこに入れるか”や”計画変更って時期のことは例文内にもないけど本当に書かなくていいの?”という観点です。素直に例文をなぞってしまうとそれらの要素が入らないまま設問ウまでいってしまうと思いました。

難しかったのは設問ウです。設問イまでこれまでにないと思うほど優しくたっぷり例文をくれていたのに、設問イまでたっぷり書きすぎたからか、設問ウはまったくヒントをくれていません。なので、実際に設問ウに来たとき、「え?”対応策のおかげでうまくいったよ”だけだと全然600字に足りなくなる💦」と思い、設問ウもけっこう時間がかかりました(25分くらい)。よく設問ウの聞き方って、”施策の実施状況”と”評価”、そして”改善点”じゃないですか。今回は改善点を聞かれていないので、どうしてもいつもより設問ウを埋めるためのアイデアが必要だったんです。そこに難しさを感じてました。

スポンサーリンク

まとめ

いかがでしたでしょうか。「あ~こういう感じで書けばいいのね🙆‍♂️💁‍♀️」と知っていただけたら幸いです。「あ、こんなんでいいのね😁」という感想でも参考になったのであれば十分嬉しいです。

最後に、これからプロジェクトマネージャ試験を受験されるみなさんの合格を祈っています。